お洋服を選ぶ時、色々な物を見るとか試着をするとかも楽しみの一つですが、今はインターネットで簡単に探して買える時代です。
「このお店、最高!なんて素晴らしいの」と思っていても、潰れてから寂しい思いをするのって店員さんだけだな…と痛感しました。
経営者と展示会にまわり入荷を心待ちにして、顧客さんに入荷する商品の型を見せて一緒にウキウキしたりと、そこで働くというよりは楽しんでいました。
呑気なもんだ。閉店をお知らせするDMを出す時には、さぞかしお客様はガッカリされるだろうと申し訳ない気持ちでいっぱいでした。しかし実は違うんですね。
これは閉店作業3軒目を終えて、しばらくしてからやっと気が付きました。
寂しいのは、店を自分のクローゼットのように感じていた店員だけであり、ここの商品を気に入っているのはお客様と同じだとしても温度差の違いを分かっていなかったのでした。
お店が無くなっても困らない
ここでいかに呑気に働いていたのいうのが見て取れます。愚かですね…。
よくよく考えたら、お客様はそこの商品を毎日見ているわけでもなし、新作が早く見たいと言っても展示会に行って入荷を心待ちにしていたスタッフと温度差があるに決まっているし、定価で買ってくれるのだからスタッフのように月に何着も買うということもないから、お店が無くなったってそれほど困らないんですね。
しかもメーカーで検索すればオンラインショップで簡単に買えます。閉店後、やっぱり商品に未練が残りメーカーで検索して新作などを見ていると、自分達がいかに甘かったかを思い知ります。
これでは、あの店じゃなきゃダメ!と言ってるのはスタッフだけだな、と。
もしも次に凝ったセレクトショップで働いた時には商品の良さはさて置き、店というのは非常に儚いものだと心得て、いかにそこを長く持たせるかを努力します。
おもしろい経営者
バカ丸出しの経営者がいたりするんです。よくアパレル業界ではいるタイプらしいのですが、その野郎が経営者で偉そうにものを言うから逆恨みしているわけではないのです。本当に気の毒なサマを見せつけるのです。
例えば、接客のノウハウを気持ち良さそうに社員の前で延々と話したり。どうやら店を構えて顧客を掴み、会社を設立したというわけでもないから接客に関しては素人なのに、どういう訳か「ありがたい言葉を聞け」と言わんばかりに販売員に言うのです。
人望が残らない経営者
親の会社を継いでいるようで、社会人になった時から優秀な社員に囲まれているものだからタチが悪く、中には人を大切にする方法も知らない輩さえいました。
もちろんお天道様がそんな事を許すわけも無く、優秀な社員は引き抜かれ、売り上げも悪化。会社は滅びていきましたが、晒したバカの数々は人の記憶にしっかり残るんです。
なぜそんな大胆な勘違いとバカ丸出しをやってのけたか…。きっと華やかな世界に居て、自分はその華やかな世界の頂点にいるとでも錯覚したんじゃないかと思うのです。
物心ついた時からスタイリッシュな人材が自分の下で働いているのだし、流行を先取りした洋服を作る人達が自分を顧客様と扱うわけですから。
そこで勘違いしてイイ気になる性格がプラスされてバカ丸出しの経営者が出来上がるんでしょうね。
本当に謙虚で真っ当な人なら、不況で会社が傾いたとしても人望は残るでしょう。微塵も残っていませんでした。
これがもし、あの経営者の会社がアパレルではなく地味な会社だったとしたら、ここまでは手のひらを返されるほどの人間に育たなかったんじゃないか?華やかな世界が錯覚させたんだと思います。
セレクトショップに勤務する際は、まず経営者の家柄を見てください。この上記のタイプなら閉店覚悟で。